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●2002年3月4日発行 (株)メルシャン クリンテック環境検査センター 【第2号】
株式会社 メルシャン クリンテックの健康食品機能性評価試験の受託サービスをいつもご利用いただき、ありがとうございます。今回が顧客の皆様に「食品機能研究ニューズ」を電子メールでお送りする2回目となりました。今回は糖尿病と血管新生に関する試験をご紹介致します。
このニューズは内容的にはまだまだ不備なものですが、皆様方の食品開発のお役に立てれば幸いと思っております。このニューズに関する今後のご要望、ご意見などありましたら、どうぞご連絡下さい。
食生活を含めたライフスタイルの欧米化やストレスの増加により糖尿病の罹患率が増加傾向にあります。このような状況の中で、機能性食品により糖尿病の発症を予防したり、糖尿病患者の糖吸収を抑制することは重要なことと思われます。
実験動物を用いた糖尿病の疾患モデルには、GKラットなどの自然発症モデルとストレプトゾトシン(STZ)などの薬剤を用いた誘発モデルが代表的です。なかでも、STZ誘発糖尿病は手軽に作製できるモデルです。今回はSTZ誘発糖尿病についてご紹介致します。
STZはカビの一種であるStreptomyces achromogenes に由来する抗生物質の一つです。STZの催糖尿病作用のメカニズムは膵β細胞の不可逆性壊死を伴う細胞毒性であると報告(岩島、1995)されています。STZ誘発糖尿病の特徴は、STZの投与量によって軽症型から重症型まで発症程度の異なる糖尿病動物の作製が可能であることです。
当社ではラットまたはマウスにSTZを腹腔内、静脈内または皮下投与し、経日的または2週間後に採血した血漿の血糖値を測定することにより食品の有効性を評価しています。この実験では、STZが化学的に不安定なため、溶解後直ちに投与すること、および糖尿病動物は多飲、多尿となるためケージ交換を頻繁に行うなどの注意が必要です。
上記モデルはI型糖尿病のモデルですが、GKラット、db/dbマウスなどの自然発症モデル(II型糖尿病モデル動物)に対する食品の有効性を評価することもできます。
一方、既に発症した糖尿病患者さんが機能性食品を摂取することにより、同時に摂取した他の食品の糖吸収を抑制することも重要なことです。この糖吸収抑制モデルとして当社では、ラットにSTZを投与して糖尿病を誘発し、2週間目に糖負荷試験を行い、経時的に採血した血漿の血糖値を測定することにより、予防的に投与した食品の血糖値上昇抑制作用を評価しています。食物繊維などの糖吸収抑制作用の検討には、このモデルが適していると思います。
この試験はあまりなじみのない試験かも知れません。しかし、私達が発育、成長する過程では身体中のいたるところで毛細血管の形成、すなわち生理的な血管新生が行われています。また、病的な血管新生は私達が成人した後もしばしば見られます。これには、創傷の治癒過程、関節リウマチなどの慢性炎症、糖尿病網膜症、固形癌の増殖過程に伴う血管新生などがあります。特に、慢性関節リウマチの滑膜増殖、糖尿病合併症としての網膜症、癌細胞の増殖に伴う血管新生などを制御することは重要なことです。
血管新生を評価する方法として、in vivoではハムスター頬袋法、角膜法、背部皮下法、ニワトリ漿尿膜法が、またin vitroではコラーゲンゲルを用いた管腔形成法などが報告(林and及川、1996)されています。ここでは、当社で行っていますマウス背部皮下法(Nakashima and Hirano et al, 1999)についてご紹介致します。
麻酔下のマウスの背部皮下に予め空気を注入して空気嚢を作製します。この空気嚢の中に、ミリポアリングの両面をフィルターで覆い、その中に腫瘍細胞(例えばマウスS-180腫瘍細胞)を満たしたチャンバーを移植します。5日後にマウスを解剖し、チャンバーの移植部位の皮下に新生した血管を実体顕微鏡で観察します。腫瘍細胞から誘発された新生血管はジグザグした形態を示し、長さが3mm以上ありますので、既存の血管と区別ができます。この新生血管の数をスコア化することにより、予防的に投与した機能性食品の効果を評価することができます。
慢性関節リウマチ、糖尿病網膜症、癌などの進行を機能性食品が抑制することができるかどうかの検討に応用できる試験方法の一つであると思います。
岩島 保法(1995):3-8 STZ, 第3部 動物実験モデル, 糖尿病研究ストラテジー, 細胞
工学別冊 医学実験マニュアルシリーズ(清野 進, 岡 芳知 監修), p378-379, 秀潤社, 東京
林 純子, 及川 勉(1996):IV. 血管新生実験法, 血管新生のメカニズムと疾患(室田誠逸, 井藤英樹 編集), p255-266, 医薬ジャーナル社, 東京
Nakashima T., Hirano S. et al (1999): Inhibition of angiogenesis by a new isocoumarin, NM-3. J. Antibiotics 52: 426-428
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