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※この文献は、応用薬理 2004 66(3/4) に掲載されたものです。
平野伸一1), 開発啓之2), 角田健司2)
Endothelium-dependent Relaxing Effect of Carpronium chloride in the Rat
Isolated Aorta.
Possible Role of Nitric Oxide in the Relaxation.
Shin-ichi Hirano1), Takayuki Kaihatsu2) and Kenji Tsunoda2)
1) Mercian Cleantec Corp., 9-1 Johnan 4 Chome, Fujisawa, Kanagawa 251-0057, Japan;
2) Daiichi Pharmaceutical Co. Ltd., 14-10 Nihonbashi 3 Chome, Chuou-ku, Tokyo 103-8234, Japan
Received February 4,2004, Accepted March 26,2004
Shin-ichi Hirano et al., Endothelium-dependent Relaxing Effect of Carpronium chloride in the Rat Isolated Aorta. Possible Role of Nitric Oxide in the Relaxation.,Oyo Yakuri/Pharmacometrics 66(3/4) 167-174(2004)
Relaxing effects of DH-3923 and KaroyanR apogeecaΣ(apogeecaΣ), both hair growth reagents, have been studied in the isolated rat aorta, in comparison with other three hair growth reagents on the market. DH-3923 and apogeecaΣ(0.001-1%) markedly relaxed contractions induced by norepinephrine (10-7 M) in the aorta with endothelium, but other three reagents relaxed it at higher concentrations of 0.1-1%. Carpronium chloride (1-100μg/mL), an effective ingredient of DH-3923 and apogeecaΣ, markedly relaxed contractions induced by norepinephrine (10-7 M) in the aorta with endothelium, but not in that without endothelium. In contrast, minoxidil (10-100μg/mL), an effective ingredient of another hair growth reagent, relaxed contraction independent of endothelium in the aorta. The relaxation induced by carpronium chloride was completely inhibited by methylene blue (5 x 10-6 M), an inhibitor of guanylate cyclase, and by NG-nitro-L-arginine methyl ester (10-6 M), a specific inhibitor of nitric oxide formation from L-arginine. These results suggest that relaxing effects of both DH-3923 and apogeecaΣ are more potent than those of other hair reagents, and further that carpronium chloride relax the aorta with endothelium, mediated by the release of nitric oxide.
Key words: DH-3923/Karoyan apogeecaΣ/Carpronium chloride/Hair growth reagent/Endothelium-dependent relaxation/Nitric oxide
男性型脱毛症および円形脱毛症などの脱毛症の病因はいまだ明確にされていないが,内分泌障害,頭皮の新陳代謝障害,毛根への脂質蓄積および社会的ストレスなどの諸因子が複合的に関与していると考えられている(武田ら, 1966).これらの脱毛症に対して,頭皮への栄養補給,殺菌作用,血行促進作用,細胞賦活作用ならびに男性ホルモンに対する拮抗作用などを有する種々の成分を配合した育毛剤が現在数多く市販されている.なかでも,血行促進成分は毛包およびその周辺の血流を改善し,発毛に必要な栄養や酸素の毛根への輸送に関与しているので,重要な因子の一つと考えられている(諸橋ら, 1989).
DH-3923は、第一製薬で開発中の医薬品育毛剤であり、市販の育毛剤カロヤンR アポジカΣ(KaroyanR apogeecaΣ:アポジカΣ)に1%配合されている塩化カルプロニウム (Carpronium chloride)を、2%配合することにより、血流促進効果を高めた製剤である。
塩化カルプロニウムは,アセチルコリン(ACh)の誘導体であるが,コリンエステラーゼに対して抵抗性を示し,分解を受けにくいなどの特徴を有する (岩間ら, 1996).これまで,塩化カルプロニウムの末梢血管に対する作用を検討した研究成果が種々報告されているが(武田ら, 1966; 橋爪ら, 1986; 橋爪, 1986; 大久保, 1988; 中村ら, 1996; 岩田ら, 1997),本物質の血管拡張作用機序の詳細は不明であった.今回ラット摘出大動脈標本を用い, DH-3923およびアポジカΣの血管弛緩作用を3種の市販育毛剤(Sample A〜C)と比較した.また,塩化カルプロニウムの血管弛緩作用をKチャネルオープナー(柳沢ら, 1991)であるミノキシジル(minoxidil)と比較すると共に,塩化カルプロニウムの血管弛緩作用の機序を検討した.
各種育毛製剤として,DH-3923(第一製薬),アポジカΣ(第一製薬),市販育毛剤A(ミノキシジル1%含有),市販育毛剤 B(トランスー3,4'−ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン含有)および市販育毛剤C(ソフォラ抽出エキス配合)をそれぞれ使用した.また,各種原体として,塩化カルプロニウム(第一製薬)およびミノキシジル(和光純薬)を使用した.なお、DH-3923の組成を下記に示した.
| DH-3923の成分(100mL中) | |
| 塩化カルプロニウム | 2g |
| カシュウチンキ | 3mL |
| チクセツニンジンチンキ | 3mL |
| パントテニールエチルエーテル | 1g |
| ヒノキチオール | 0.05g |
| 1-メントール | 0.3g |
各市販製剤および試作製剤は原液を生理食塩液で希釈して用いた.また,各原体は生理食塩液で溶解して用いた.オルガンバス (容量10 mL)中の添加容量は製剤または製剤希釈液の場合が0.5 mL(5%)以下とし,また原体溶解液の場合が 0.6 mL(6%)以下とした.なお,各被験物質の濃度は最終濃度表示(μg/mLまたは%)とし、濃度段階は予備実験の結果から決定した.
日本チャールスリバー株式会社より7週齢で購入した雄性Wistar系ラットを7日間以上予備飼育して実験に供し,使用時の週齢は約8〜10週齢であった.ラットは胸部大動脈摘出時まで室温24±3℃,相対湿度55±15%のSPFバリア飼育室(照明時間 8時〜18時,換気回数18回/時)で飼育した.
栄養液の組成は,NaCl 118.3 mM,KCI 4.7 mM,CaCl2 2.0 mM,MgSO4・H2O 1.2 mM,NaHCO3 25.0 mM,KH2PO4 1.2mM ,calcium EDTA 0.026 mM,glucose 11.1 mMとした.この栄養液は,37℃に保温して95% O2,5% CO2の混合ガスを通気した (pH 7.4).
ラットを頭部強打により失神させ放血致死させた後,胸部大動脈を摘出した.摘出した胸部大動脈から周囲の脂肪および結合織を注意深く取り除いた後,幅2〜4mm,長さ8〜13mmのらせん状標本を作製した.
血管内皮を保存した標本を用いる場合は,あらかじめ酒石酸水素L-(−)-ノルエピネフリン(Calbiochem社, 10-7 M )溶液で収縮させた標本に,塩化カルバミルコリン(和光純薬, 10-6 M)溶液を適用し,80%以上の弛緩作用を示した標本を内皮細胞が保存された標本とした. 80%以上の弛緩作用が見られなかった標本は作製過程で内皮に損傷ができた標本と考え実験に使用しなかった. また,血管内皮を剥離させた標本を用いる場合は,栄養液で濡らした指で血管内面をゆっくりとこすることにより,内皮剥離標本を作製した.
胸部大動脈標本は,容量10mL のオルガンバス内に0.5gの負荷をかけて懸垂し,約1時間安定化するまで放置した.収縮力はFDピックアップ(TB-611T,日本光電工業)およびひずみ圧力用アンプ(AP-621G,日本光電工業)を介してポリグラフ(RM-6000,日本光電工業)上に等尺性に記録した.
あらかじめノルエピネフリン(10-7 M)溶液で収縮させた内皮保存標本に各種育毛製剤・DA-3923 ,アポジカΣ,市販育毛剤A,市販育毛剤Bおよび市販育毛剤C(いずれも0.0001%,0.001%,0.01%,0.1%および1%)を累積添加して血管弛緩作用が発現するか否かを調べた.
あらかじめノルエピネフリン溶液(10-7 M)で収縮させた標本に塩化カルプロニウム溶液またはミノキシジル溶液の 1,3,10,30および100μg/mLをオルガンバス中に累積的に添加し,血管弛緩作用の有無について調べた. 血管弛緩作用の検討は,内皮保存標本と内皮剥離標本のそれぞれについて行った.
上記試験で塩化カルプロニウム溶液が内皮依存性血管弛緩作用を示したので,その機序について検討を行った.すなわち,あらかじめノルエピネフリン(10-7 M)溶液で収縮させた内皮保存標本に塩化カルプロニウム (10μg/mL,約60〜70%弛緩する濃度)溶液を添加し,持続した弛緩作用が発現した直後にメチレンブルー3水和物(和光純薬, 5x10-6 M)溶液を添加し,塩化カルプロニウムの弛緩作用が抑制されるか否かを調べた.
また,NG-ニトロ-L-アルギニンメチルエステル塩酸塩(L-NAME ,和光純薬, 10-6 M)溶液を10分間前処置した内皮保存標本にノルエピネフリン (10-7 M)溶液を添加して血管を収縮させ,その後塩化カルプロニウム溶液の1,3,10,30および100μg/mLを累積添加して, L-NAME前処置により塩化カルプロニウムの弛緩作用が抑制されるか否かを調べた.
試験データは,原則としてノルエピネフリンで血管を収縮させた場合の最大収縮を弛緩率0%,収縮させなかった場合のベースラインを弛緩率 100%とした相対値で表した.濃度毎の弛緩率(%)を算出し,その平均値±標準誤差(Mean±S.E.)を求めた.
ただ,メチレンブルーの添加により塩化カルプロニウムの弛緩反応が抑制されるかどうかを検討した実験の場合は,ノルエピネフリンで血管を収縮させた場合の最大収縮を収縮率 100%,収縮させなかった場合のベースラインを収縮率0%とした相対値で表した.同様に収縮率表示の場合も濃度毎の収縮率(%)を算出し,その平均値±標準誤差(Mean±S.E.)を求めた.
比較検討実験の場合には,Studentのt検定(2群間の検定)を用いて統計学的解析を行い,P<0.05の場合を群間が統計学的に有意であると判定した.


1 .血管弛緩作用の製剤間比較
試験結果をFIG 1,2および3に示した.
内皮保存標本を用いて各育毛製剤の血管弛緩作用を比較した結果,DH-3923,アポジカΣ,市販育毛剤A, 市販育毛剤B,市販育毛剤C の順に強い弛緩反応を示した.最高濃度(1%)の弛緩率はDH-3923,アポジカΣ,市販育毛剤A,市販育毛剤Bおよび市販育毛剤C の場合で, それぞれ73.3±5.6%,67.6±7.3%,56.6±3.1%,30.6±1.8%および23.0±3.5%であった.
DH-3923(0.001〜0.1%)およびアポジカΣ(0.001〜0.1%)の血管弛緩反応が比較的早期に発現したのに対し,市販育毛剤A,市販育毛剤Bおよび市販育毛剤Cの3製剤(0.1%および1%)は弛緩反応を非常に遅く発現させた.
一方,高濃度のDH-3923(1%)およびアポジカΣ(1%)の弛緩反応は低濃度(0.001〜0.1%)の場合と異なり,最大弛緩を得るのに約10分を要した.

2 .塩化カルプロニウムとミノキシジルの血管弛緩作用
試験結果をFIG 4,5および6に示した.
内皮保存標本において,塩化カルプロニウム(1,3および10μg/mL)は濃度依存的な血管弛緩作用を示したが,高濃度の塩化カルプロニウム (30および100μg/mL)は血管弛緩作用をやや減弱させた.一方,内皮剥離標本において塩化カルプロニウム(1〜100μg/mL)はほとんど 血管弛緩作用を示さなかった.内皮保存標本において,塩化カルプロニウム(10μg/mL)が最大弛緩の65.7±4.6%を示し,内皮剥離標本の弛緩率 0±0%と比べて統計学的に有意(P<0.001)であった.
他方,ミノキシジル(10,30および100μg/mL)は内皮保存標本および内皮剥離標本において濃度依存的な血管弛緩作用を示した. 内皮保存標本と内皮剥離標本におけるミノキシジル(10および30μg/mL)の血管弛緩作用を比較した場合,顕著な差は認めなかった. しかし,高濃度のミノキシジル(100μg/mL)は内皮保存標本において72.6±2.2%,内皮剥離標本において59.6±3.7%血管を弛緩させ, 内皮保存標本の弛緩率がやや高かった(P<0.01).
内皮保存標本において,塩化カルプロニウム(1〜100μg/mL)の弛緩反応は非常に早く添加後約1分に発現したが,ミノキシジル (10,30および100μg/mL)の弛緩反応の発現は非常に遅く,最高濃度の100μg/mLは添加後約20〜30分に最大の弛緩率を示した.


試験結果をFIG 7,8および9に示した.
塩化カルプロニウム(10μg/mL)を添加して弛緩させた内皮保存標本にメチレンブルー(5x10-6 M)を添加すると,塩化カルプロニウム (10μg/mL)の弛緩反応が完全に抑制された.
また,L-NAME(10-6 M)を10分間前処置した内皮保存標本に塩化カルプロニウム(1〜100μg/mL)を累積添加すると,塩化カルプロニウム (1〜100μg/mL)の弛緩反応は完全に抑制された.
【考察】
ラット摘出大動脈標本を用い,DH-3923 およびアポジカΣの血管弛緩作用を市販育毛剤A,市販育毛剤Bおよび市販育毛剤C の3製剤と比較した.また,塩化カルプロニウム原体の血管弛緩作用をミノキシジル原体と比較すると共に,塩化カルプロニウムの血管弛緩作用の機序を検討した.
内皮保存標本を用いて各育毛製剤の血管弛緩作用を比較した結果,DH-3923,アポジカΣ,市販育毛剤A,市販育毛剤B,市販育毛剤Cの順に強い弛緩作用を示した. 低濃度のDH-392およびアポジカΣの血管弛緩作用が比較的早期に発現したのに対し,市販育毛剤A,市販育毛剤Bおよび市販育毛剤Cは弛緩作用を非常に遅く発現 させた.また,塩化カルプロニウムの血管弛緩作用を検討した結果,弛緩作用は内皮保存標本でのみ発現し,内皮剥離標本では殆ど認められなかった. 一方,ミノキシジル(低濃度)の弛緩作用は内皮に無関係に認められたが,ミノキシジル(高濃度)の弛緩反応は内皮剥離標本に比べて内皮保存標本で やや強く発現した.塩化カルプロニウムの弛緩作用がミノキシジルに比べて低濃度から認められた.また,塩化カルプロニウムとミノキシジルの弛緩作用 のパターンを比較すると,塩化カルプロニウムが非常に早く添加後約1分で血管を弛緩させたのに対し,ミノキシジルは血管を弛緩させるのに20〜30分を要した.
岩田ら(1997)は,レーザードップラー血流計を用いてウサギ耳介に1%塩化カルプロニウム溶液または1%ミノキシジル溶液を塗布した in vivo実験において,1%塩化カルプロニウム溶液は顕著な耳介血流量の増加を示したが,1%ミノキシジル溶液は耳介血流量の増加を示さなかった と報告している.従って,この報告および今回のin vitro実験結果から考察すると,DH-3923およびアポジカΣ両製剤中に含有する塩化カルプロニウム は内皮依存性の血管弛緩作用を示すと考えられ,市販育毛剤Aに含有するミノキシジルに比べて強い血管弛緩作用を示すことが示唆された.さらに, 製剤中の塩化カルプロニウム濃度および製剤中のミノキシジル濃度から換算して,低濃度のDH-3923およびアポジカΣの血管弛緩作用は塩化カルプロニウムの内皮依存性血管弛緩作用に起因し,また市販育毛剤Aの血管弛緩作用はKチャネルオープナーであるミノキシジル(柳沢ら,1991)に起因することが示唆された.
今回の実験において,高濃度のDH-3923およびアポジカΣの弛緩反応が低濃度の場合と異なり,最大弛緩を得るのに約10分を要した原因として,両者の製剤中に混在する他の血管弛緩物質(内皮細胞が介在しない)が関与する可能性が考えられたが,詳細は不明であるので今後の検討が必要であろう.
高濃度の塩化カルプロニウムの弛緩作用が軽度に減弱された原因はAChや他のコリン作動薬の場合と同様に血管平滑筋に対する直接的収縮作用(唐木,1986)が関与している可能性が考えられた.一方,ミノキシジルは内皮の有無に関係なく血管を弛緩させると考えられた.高濃度のミノキシジルが内皮保存標本でやや強い弛緩作用を示した原因としては,内皮保存標本と内皮剥離標本のノルエピネフリンに対する反応性の違いが考えられた.すなわち,内皮剥離標本では内皮保存標本に比べてノルエピネフリンがより強い収縮を示すことが報告されており(唐木,1986),この収縮力の違いがミノキシジル(高濃度)による内皮剥離標本の弛緩反応の相対的な減弱を生じさせた要因であろう.
塩化カルプロニウムの内皮依存性血管弛緩作用の機序を検討した結果,塩化カルプロニウムの弛緩反応はグアニル酸シクラーゼの阻害薬(Gruetter et al., 1981)であるメチレンブルーの添加により完全に抑制された.また,同様に一酸化窒素(NO)の特異的合成阻害薬であるL-NAME(Wang et al., 1993)の添加で完全に抑制された.
血管血管内皮細胞からは種々の弛緩物質(EDRF,内皮細胞由来血管弛緩物質)が遊離されている.ACh をはじめとする種々の血管作動物質は,内皮細胞において NO 合成酵素の働きにより L-アルギニンから L-シトルリンと NO を産生させ,産生された NO が血管平滑筋に作用して細胞内サイクリック GMP を遊離させ, 結果的に血管平滑筋を弛緩させると考えられている(Palmer et al., 1987; Palmer normal et al., 1988).著者ら(Hirano et al., 1991a ;Hirano et al., 1991b) は抗腫瘍性抗生物質ピラルビシンがラット摘出大動脈標本に対して内皮依存性血管弛緩作用を示したと報告している.さらに,ピラルビシンおよびACh誘導体カルバミルコリン を比較した実験において,両薬物の内皮依存性弛緩作用がメチレンブルーまたはNG-ニトロ-L-アルギニン(L-NNA,NO合成阻害薬)の添加で完全に抑制された 結果から,ピラルビシンの弛緩作用にはカルバミルコリンと同様に内皮細胞から遊離された NO が主として関与していると報告している(Hirano et al., 1991c ).塩化カルプロニウムの場合も,ピラルビシンの場合と同様にラット大動脈標本に対する内皮依存性血管弛緩作用が認められ,この弛緩作用はメチレンブルーおよびL-NNA と類似の作用を示す NO 合成阻害薬L-NAMEの添加で完全に抑制された。これらの実験結果ならびに本物質がACh類似の化学構造を有すること(武田ら,1966)などから,塩化カルプロニウムの内皮依存性弛緩作用にはピラルビシンおよびカルバミルコリンの場合と同様に内皮細胞から遊離されたNOが関与していると考えられた.
以上の結果より,DH-3923およびアポジカΣは血管拡張作用に基づいた育毛効果を示す可能性が考えられ,特にDH-3923はより強い血管拡張作用に基づいた育毛効果が期待できる育毛剤であると考えられた.また,DH-3923およびアポジカΣに含有される塩化カルプロニウムは内皮依存性の血管弛緩作用を示し,その作用は内皮細胞から遊離されるNOを介した作用であることが示唆された.
【文献】
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